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5月17日18時53分配信 ロイター


 [東京 17日 ロイター] クレディセゾン <8253> は17日、2008年3月期の連結業績について、経常利益が前年比30.1%減の560億円になると発表した。貸金業法改正を前倒しで適用し、今期からキャッシング金利を18%以下に引き下げることが響く。ロイターエスティメーツによる主要アナリスト9人の予測平均661億円を下回った。
 クレジットカードは、百貨店や公共料金、携帯電話料金などの利用で稼働率を高めることで、営業収益は前年比1.9%増の3400億円を見込むが、営業利益は同25%減の564億円になる。2009年末の改正貸金業法の施行で20%を超える「灰色金利」が廃止されるが、今年6月から前倒しで貸出金利を18%以下に引き下げることを決めており、これによって160億円程度の減益を見込む。
 一方で、当期純利益は前年比75.4%増の260億円。前期は、借り手からの「過払い金」の利息返還の急増を背景に、日本公認会計士協会が将来の過払い金返還に備えて監査指針を公表したことから利息返還損失引当金を積み増したが、今期はこの影響がなくなることが寄与する。
 記者会見した前川輝之副社長は「稼働率の低いカードはやめる。使われるカードの稼働率をさらに高めて取扱高を伸ばしていく」と述べた。利息返還損失は、5年分を引き当てており「保守的に積んだと思っている」との認識を示した。
 また、クレセゾンは17日、上限金利引き下げによる収益の影響を踏まえ、昨年5月に発表した5カ年の中期経営計画をとりやめ、2008年3月期から3カ年の中期計画を改めて策定したと発表した。最終年度の2010年3月期の連結経常利益は700億円を計画し、上限金利引き下げ前の利益水準を回復させる。従来までのクレジットカードによる収益依存を見直して、不動産事業やリース事業を推進するとともに、個人事業主を対象にした新規事業を展開する。また、みずほ銀行とユーシーカードとの1月の提携に基づいて、クレジットカード事業の事務処理を手がける共同会社を10月に設立することを通じてコスト削減を図る。
 前川副社長は会見で「事業を抜本的に見直して中期計画の終了後には、カード会社からノンバンクカンパニーと呼ばれる会社に変革を遂げる」との意向を示した。さらに、前川副社長は会見後に記者団に対して「中期計画の実現のために、M&A(企業の合併・買収)も検討する」と述べた。
 2008年3月期の年間配当は1株あたり28円を予想し、前期と同水準とした。
 2007年3月期の連結業績は、営業収益が前年比21.5%増の3336億円、経常利益が同12.7%増の801億円。会員数の増加とともに、クレジットカードの取り扱いを増やした。ただ、当期純利益は、利息返還損失引当金を特別損失で計上したことから、同64.9%減の148億円となった。


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